帯状疱疹とは
原因
帯状疱疹は、体内に潜んでいる水痘(=水ぼうそう)・帯状疱疹ウイルスによって起こります。小児期などに水痘にかかると、生涯にわたって水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏し、加齢・疲労・ストレスなどで免疫力が低下すると再び活性化し、帯状疱疹として発症します。
成人の9割以上が水痘・帯状疱疹ウイルスを保有し、50歳以上になると発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が発症すると推定されています。
症状
初期症状は、皮膚の痛みで体の左右どちらか片側の神経に沿って起こります。数日後にはピリピリ感・痛みのある部位に発疹が現れます。発疹は徐々に広がっていき、やがて水疱(水ぶくれ)に変化します。水ぶくれは時間の経過で破れてかさぶたとなり治癒します。皮膚の症状が元に戻るまでには1カ月程を要します。
また、帯状疱疹は、合併症を伴うことがあり、代表的なものは、皮膚の症状が治まった後も、3カ月以上痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」があります。
周囲への感染
帯状疱疹は「帯状疱疹」として周囲にうつることはありません。しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を保有していない人がウイルス感染した場合は「水痘」として発症する可能性があります。
感染は帯状疱疹患者の水疱との接触が中心ですが、全ての水疱がかさぶたになれば、周囲への感染力は無くなります。
治療
抗ウイルス薬を投与することにより、痛みの期間の短縮、発疹の発生の抑制、皮膚の症状の治癒を促す効果が得られます。十分な治癒効果を得るためには、発症後速やか(発疹が現れてから3日以内)に投与を開始することが望ましいとされていますので、症状が現れた際には早めに医療機関を受診しましょう。
予防
基本的な予防
免疫の低下が帯状疱疹につながることから、日頃からの体調管理が大切です。日頃のバランスのとれた食事や、適度な運動、適切な睡眠を心掛けましょう。
予防接種
帯状疱疹の予防として用いられる予防接種には50歳以上の人を対象とした「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。予防接種は発症を完全に防ぐものではありませんが、発症しても軽症ですみ、後遺症の予防につながるといわています。
帯状疱疹のワクチンは予防接種法の対象外であり、任意の接種となるため、全額自己負担となります。接種する場合は、費用等を含め医療機関に直接お問い合わせください。