条例制定の経緯
2050年脱炭素社会の実現に向け、国内では太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの積極的な導入が進められています。一方で、太陽光発電事業による土砂流出や濁水の発生、景観への影響、反射光による光害、動植物の生息・生育環境の悪化などの問題が他自治体においては発生しています。
本町においても、太陽光発電事業により町の豊かな自然や住民の皆さんの生活等に影響を及ぼすことが懸念されることから、事業が地域環境と調和した形で適正に実施されるよう、一定の規模を超える事業について必要な事項を定める条例を制定しました。
太陽光発電事業を行う事業者の皆さんは、事前協議や周辺関係者への説明、届出などが必要となります。
施行日
令和6年7月1日対象事業
- 発電出力の合計が10キロワットを超える太陽光発電事業
注:施行日において、現に太陽光発電施設を設置している事業者についても各種届出(一部除く)、指導等の対象となります。
対象地域
町内全域
このうち災害の防止、景観、良好な自然環境等の保全又は太陽光発電施設の地域環境との調和のため、一部区域を禁止区域・抑制区域に設定します。
1 禁止区域(太陽光発電事業の実施を認めない区域)
以下の区域を事業区域に含めることを原則禁止します。該当区域 | 法令根拠等 |
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土砂災害特別警戒区域 | 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 |
居住誘導区域 | 都市再生特別措置法(岡垣町立地適正化計画) |
都市機能誘導区域 | 都市再生特別措置法(岡垣町立地適正化計画) |
集落環境維持区域 | 都市再生特別措置法(岡垣町立地適正化計画) |
まちなかにぎわい誘発区域 | 都市再生特別措置法(岡垣町立地適正化計画) |
注:すでに対象となる太陽光発電施設を設置している事業者については適用されませんが、各種届出(一部除く)、指導等の対象となります。
2 抑制区域(太陽光発電事業の実施に特に配慮が必要な区域)
以下の区域を事業区域に含まないよう求めます。事業を実施する場合は、各種届出、指導等の対象となります。該当区域 | 法令根拠等 |
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急傾斜地崩壊危険区域 | 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律 |
砂防指定地 | 砂防法 |
地すべり防止区域 | 地すべり等防止法 |
土砂災害警戒区域 | 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 |
第2種特別地域 第3種特別地域 |
自然公園法 |
鳥獣保護区 | 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 |
農用地区域 | 農業振興地域の整備に関する法律 |
保安林 | 森林法 |
既存環境維持区域 | 都市再生特別措置法(岡垣町立地適正化計画) |
注:すでに対象となる太陽光発電施設を設置している事業者については適用されませんが、各種届出(一部除く)、指導等の対象となります。
3 上記以外の区域(禁止区域・抑制区域以外)
各種届出、指導等の対象となります。
対象事業者の責務
1 事前協議
太陽光発電事業を行おうとするときは、あらかじめ事業に関する計画について事前協議書(様式第1号)による協議が必要です。設置工事に着手する日の60日前までに「3 事業計画の届出」を行う必要があるため、事業計画を企画する早い段階で、事前協議を行ってください。
注:すでに太陽光発電施設を設置している事業者については適用されません。
2 周辺関係者への説明
事業区域の周辺関係者に対して、あらかじめ説明会を開催するなど、事業計画に関する周知について必要な措置を講じる必要があります。
周知を行うにあたっては、事業計画の内容について周辺関係者の理解を得るよう努めてください。
また、周辺関係者への説明(事前周知)を行ったときは、その結果を事前周知報告結果報告書(様式第2号)により報告してください。
3 事業計画の届出
太陽光発電事業を行おうとするときは、設置工事に着手する日の60日前までに、事業計画の届出(様式第3号)の提出が必要です。
注:すでに太陽光発電施設を設置している事業者については、令和6年12月27日(金曜日)までに事業計画(様式第3号)を提出してください。
4 その他の届出(変更・工事完了・廃止・承継)
以下のときは、事前に届出が必要です。- 事業計画を変更するとき(様式第4号)
- 太陽光発電施設の設置工事を完了(中止)したとき(様式第5号)
- 太陽光発電施設を廃止しようとするとき(様式第6号)
- 太陽光発電施設の廃止が完了したとき(様式第7号)
- 届出をした者から当該届出に係る事業を承継したとき(様式第8号)
5 地域環境と調和をとるための配慮、町施策への協力
地域環境と調和のとれた太陽光発電事業の実施のために配慮をするとともに、町が実施する施策に協力してください。
6 太陽光発電施設及び事業区域内の維持管理
防災及び生活環境等の保全のため、太陽光発電施設及び事業区域内を安全かつ良好な状態となるよう維持管理を行ってください。
7 緊急時の措置等
太陽光発電事業により自然環境及び生活環境への被害が発生したとき又は被害が発生するおそれがあるときは速やかに現地を確認し、早急に必要な措置を講ずるとともに、周辺関係者に周知し、町長に報告を行ってください。
8 事故や紛争時の解決、再発防止の措置
太陽光発電事業の実施に伴い事故等が発生したとき又は周辺関係者と紛争が生じたときは、自己の責任で解決し、再発防止のための措置を講じてください。
土地所有者等の努力義務
土地の所有者、占有者又は管理者は、災害の発生を助長する又は良好な景観や生活環境を損なうおそれのある事業者に対して、土地を使用させることのないように努めてください。
町、事業者、土地の所有者等の努力義務
地域環境と調和のとれた太陽光発電事業の促進を図るにあたり、関係法令等を遵守するように努めてください。
対象事業者への町の対応
1 意見
事業者からの届出・報告に対する意見を述べます。
2 報告・立ち入り調査
条例施行に必要な限度において、事業者に報告を求めるほか、事業区域その他の施設に立入調査をします。
3 指導・助言・勧告
必要と認めるときは、事業者に助言や指導をします。また、太陽光発電事業により町民の生活環境等に重大な影響を及ぼすおそれがあると認められるときや各種届出を行わなかったとき、助言や指導に正当な理由なく従わなかったときなどは、対象事業者に勧告します。
4 命令
勧告に正当な理由なく従わないときは、環境審議会の意見を聴いたうえで、期限を定めて対象者に勧告に従うよう命令します。
5 公表
命令に正当な理由なく従わないときは、事業者の氏名及び住所(法人その他の団体は、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)のほか、命令内容を公表します。